果汁入り飲料の製造方法は?
◆果実飲料のうち果汁入り飲料において、一般に行われている製造方法は図のとおりである。調合された果実飲料の製品液は必要に応じて均質化、脱気(使用する香料の種類によっては、香気が逸散する恐れがあるので、チェックが必要)の工程を経たのち、充てん前に殺菌を行う。一般的にはプレート式殺菌機を通して殺菌し、充てん機に送り殺菌温度に近い状態で、缶に充てん、又は温びん機を通したびんに充てんし、密封したのち反転などを行い、冷却工程を経て製品が出来上がる。

◆果汁の酸化防止および品質を安定させるために、アルミ缶や肉厚の薄いスチール缶及びPETボトルのヘッドスペースに窒素ガスを封入し使用されている場合もある。

◆缶胴壁が薄いアルミ及びスチール製2ピース缶では、外圧に対する変形防止のため、窒素ガスを封入し、封入窒素の圧力により強度の補強と残留酸素の除去により内容物の品質向上を図っている。

果汁入り飲料の配合は、砂糖などの糖類を水に溶解し、糖液をつくリ、ろ過する。果汁を入れ、糖液を加え、水でほぼ仕上がリ糖度に近<調合できたとこうでL−アスコルビン酸、酸味料、香料等を加え、規定の糖度、酸度に調合して果汁入り飲料をつ<る。

果汁入り飲料の脱気、殺菌は、調合の終了した果汁入り飲料は、酸素が混入すると製品が劣化するおそれがあるため、脱気(deaeration「使用する香料の種類によっては香気が逸散する恐れがあるので、あらかじめチェックが必要」)を行って酸素を除去する。また、現在の果実飲料工場の殺菌機は、ほとんどがプレート式で、93〜95℃で殺菌を行っている。殺菌後、高温のままにしておくと品質成分の劣化をまねくので、殺菌後はできるだけ短時間に品温が40℃以下に低下するようラインを設定している。