■第三話「清涼飲料と炭酸飲料の分類について」 |
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○清涼飲料水の名称の初めは
清涼飲料水に関する衛生規則が1900年(明治33年)6月5日、内務省令第30号により制定された「清涼飲料水営業取締規則」において、清涼飲料水とは、 「第一条 本則二於テ清涼飲料水卜称スルハ販売ノ用二供スル「ラムネ」「リモナーデ」(果実水、薄荷水及桂皮水ノ類ヲ含ム)曹達水及其他炭酸含有ノ飲料水ヲ謂フ」と初めて法規制で清涼飲料水の名称が定められた。それまでは清涼飲料水の製造販売は自由であった。
清涼飲料は種類が非常に多く、その中で炭酸飲料、果実飲料、豆乳類は品質表示基準及び日本農林規格(JAS)で、また、ミネラルウォーター、ウ一口ン茶飲科、紅茶飲料については農林水産省の定めた品質表示ガイドラインで、コーヒー飲料等は公正取引委員会の承認された表示に関する公正競争規約で定義が定められ実施している。しかし、最近では多種多様の製品が製造・販売されるようになり、その定義や分類は必ずしも確立されていないが、広義には食品衛生法に基づく営業許可業種である清涼飲料水の定義に基づいている。
食品衛生法上の清涼飲料水の取扱いでは、同法が1957年(昭和32年)に改正された際に、その施行通達(昭和32年9月18日厚生省発衛第413号の2)の第3 標示に関する事項1の(2)において、 清涼飲料水及び保存飲料水を一本化して清涼飲料水とし、その定義は「乳酸菌飲料、乳及び乳製品を除く酒精分一容量パーセント未満を含有する飲料をいうものであること。」とされた。清涼飲料業界では、炭酸飲料、果実飲料、豆乳類、ミネラルウォーター、コーヒー飲料、茶系飲料、その他飲料の総称として清涼飲料の名称が使用されている。
○炭酸飲料とその種類は
炭酸飲料は、炭酸ガスを含有する清涼飲料水の総称であり、その種類はきわめて多く、しかも絶えず新製品が市場に出回っている。 食品衛生法に基づく表示指導要領2の(1)名称の表示①別表2、食品の部の例
炭酸飲料品質表示基準「(昭和46年8月3日農林省令弟1342号)現行は平成12年12月19日農林水産省告示第1682号」では、 品名は「炭酸飲料」と記載する。ただし、炭酸飲料であることが明らかに識別できる他の適切な名称を記載してもよいこととなっている。これは食品衛生法と同様の考え方に基づいているので「ただしがき」が規定されたが、中分類と小分類が混在するのを避けるため、JAS製品には名称(又は品名)として「炭酸飲料」に統一した表示にしている。
炭酸飲料の日本農林規格(昭和49年6月27日農林省告示第567号)が制定され、 その定義において「飲用適の水に二酸化炭素を圧入したもの、及びこれに甘味料、酸味料、フレーバリング等を加えたもの」と規定されている。このフレーバリングに基づいて炭酸飲料を分類すると次のとおりである。
さらに、炭酸飲料のガス内圧力に基づく製品ごとに分類すると次のとおりである。
○清涼飲料関係統計資料上の炭酸飲料の分類
(社)全国清涼飲料工業会と(財)日本炭酸飲料検査協会で発行している清涼飲料関係統計資料上における炭酸飲料の分類については、炭酸飲料の日本農林規格の格付状況を参考にして利用者の便に供するため、次のとおり分類している。 1 コーラ炭酸飲料出典:清飲通信(平成14年2月1日号に掲載) 執筆者:堀部 義巳氏(一般財団法人日本清涼飲料検査協会相談役)
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